優良適合申告,監理団体,一般許可,実習実施者,計画認定,技能実習,在留資格|名古屋行政書士法人one
もうすぐ2020年度も終わり、監理団体さんや受入企業さんは、そろそろ今年度の技能検定等の合格実績が分かってくる頃だと思います。
この検定の合格実績、とくに2号・3号修了時の「随時3級・2級」レベルの合格実績は、
優良な監理団体・実習実施者の要件の点数表でかなり大きな割合を占めていますので、
合格実績が悪いと優良になることはかなり厳しいですよね。
とくに、2021年4月からの優良要件適合申告書では、気を付けるべき点が3つあります。
今回はそのあたりを説明したいと思います。
<2021年度の優良要件採点で気をつけるべき点その1>[監理団体・実習実施者共通]
今年度から合格者数ではなく合格率のみの採点になること
監理団体・実習実施者とも、2・3級程度の技能検定等の合格者数に応じて加点が可能になる猶予措置は、2020年10月31日で終了しています。
つまり、いま合格者数によって優良基準を満たしている監理団体・実習実施者さんは、
2021年4月以降から初回の申請が、はじめての合格率による採点になるということです。
この項目の技能検定等の合格率によって、
監理団体の場合は-20点から+20点で最大40点差、
実習実施者の場合は-40点から+40点で最大80点差にもなるので、
一番重要で無視できない要素ですよね。
なんとかマイナスになるのだけは避けるためには、合格率50%以上はキープしたいです。
ここで合格率の計算方法について詳しく説明します。
機構では、合格率の計算方法について以下のように案内しています。
※配点は監理団体と実習実施者で異なりますが、計算方法は共通のため一緒に説明します。
過去3技能実習事業年度の2・3級程度の技能検定等の実技試験の合格率 <計算方法> 分母:新技能実習生の2号・3号修了者数 -うちやむを得ない不受検者数 +旧技能実習生の受検者数 分子:(3級合格者数+2級合格者数×1.5)×1.2 * 旧制度の技能実習生の受検実績について、施行日以後の受検実績は必ず算入。施行日前については、施行前の基準日以前の受検実績は算入しないこととすることも可。 |
①過去3技能実習事業年度っていつ?
申請年度を含めず、過去3技能実習事業年度です。
つまり、2021年4月1日~2022年3月31日(=2021年度)に申請する場合は、
2021年度を含めない過去3技能実習事業年度
=2018~2020年度=2018年4月1日~2021年3月31日になります。
②合格率計算の対象になる実習生ってだれ?入国時期はいつ?
上記「過去3技能実習事業年度」に2号・3号を修了している、ということは、
2号・3号が2年の技能実習期間と考えると、
2016年4月1日~2019年3月31日に2号・3号実習を開始した実習生が対象、
ということになります。
つまり対象実習生の入国時期の目安としては以下のようになります。
2号:2015年4月1日~2018年3月31日入国 3号:2013年4月1日~2016年3月31日入国(※今は新型コロナによる例外はありますが、原則3号は1ヶ月以上の一時帰国期間があるので、ずれるはずです。あくまで参考程度に) |
<2021年度の優良要件採点で気をつけるべき点その2>[実習実施者のみ]
新しい加点要素が増えたこと(合格実績)
上記で猶予措置が終了して合格者数ではなく合格率のみの計算になったと書きましたが、
実習実施者のみ、例外的に合格者数でも加点になる新しい要素ができました。
* 上記の計算式の分母の算入対象となる技能実習生がいない場合は、過去3技能実習事業年度には2号未修了であった者の申請日時点の3級程度の技能検定等の合格実績に応じて、右欄のとおり加点する。 |
*左欄に該当する場合 ・合格者3人以上:20点 ・合格者2人:10点 ・合格者1人:5点 ・合格者0人:0点 |
つまり、分母の対象になる2号・3号修了済みの実習生が1人もいない場合は、
まだ修了していないけど技能検定等3級・2級に合格した実習生がいれば、
その合格者数に応じて加点されます。
ただし分母の対象者が1人でもいる場合は、
この加点は適用できませんのでご注意ください。
<2021年度の優良要件採点で気をつけるべき点その3>[監理団体・実習実施者共通]
新しい採点方法が増えたこと(相談体制)
2020年11月24日から、もともとあった採点方法(旧配点)に加え、新しい採点方法(新配点)が追加されました。
2021年11月1日からは新配点のみの採点になりますのでご注意ください。
ただし、2020年11月~2021年10月の間は旧配点と新配点のどちらで採点しても構いません。どちらか1つで6割の点数を取れればOKです。
旧配点は120点満点、新配点は150点満点なので、
旧配点: 120点満点中72点
新配点: 150点満点中90点
になります。
新配点で追加されたのは、相談体制の部分です。
従来も技能実習の継続が困難となった技能実習生関連の加点項目はありましたが、
その配点をより大きく、重視した形になりました。
【監理団体】
④相談・支援 体制 | Ⅱ 技能実習の継続が困難となった技能実習生(他の監理団体傘下の実習実施者で技能実習を行っていた者に限る。)に引き続き技能実習を行う機会を与えるための受入れに協力する旨の機構への登録を行っていること。 |
(旧配点) ・有 : 5点 (新配点) 実習監理を行う実習実施者の数に対する登録した実習実施者の数の割合 50%以上 15点 50%未満 10点 |
Ⅲ 直近過去3年以内に、技能実習の継続が困難となった技能実習生(他の監理団体傘下の実習実施者で技能実習を行っていた者に限る。)に引き続き技能実習を行う機会を与えるために、当該技能実習生の受入れを行ったこと(旧制度下における受入れを含む。) |
(旧配点) ・有 5点 (新配点) 実習監理を行う実習実施者の数に対する受け入れた実習実施者の数の割合 50%以上 25点 50%未満 15点 |
【実習実施者】
⑤相談・支援体制 | Ⅲ 直近過去3年以内に、技能実習の継続が困難となった技能実習生に引き続き技能実習を行う機会を与えるために当該技能実習生の受入れを行ったこと |
(旧配点) ・有 : 5点 (新配点) ・基本人数枠以上の受入れ : 25点 ・基本人数枠未満の受入れ : 15点 |
Ⅳ 技能実習の継続が困難となった技能実習生(他の監理団体傘下の実習実施者で技能実習を行っていた者に限 る。)に引き続き技能実習を行う機会を与えるため、実習先変更支援サイトに監理団体を通じて受入れ可能人数の登録を行っていること。 |
(新配点) ・有 : 10点 ※ 新配点のみに設けられた加点項目です。 |
最後に
猶予措置が終了したり、新しい採点方法ができる等、かなり変更部分があります。
もし優良採点で分からない部分やご不安な点がある場合は、申請実績が豊富な専門家にご相談ください。